おはようSMAP 中村亘利 BLコミック
真昼の脳裏には、背中に羽をつけてサンバを踊る、半裸の美女が突然浮かび上がる。「む、難かしいって」。啓司が笑う。情熱的な夜以外、名前を呼ばれたことなどないので、京介は驚いたようだ。チラリと木村の手元を見たトオルは、それからキーボード脇(わき)に積まれたディスクに視線を移した。驚いてそう訊ねると、「キスをしただけだ」。
俺はそれらをなるべく意識しないようにして、男の横顔をじっくり間近で観察した。「んんっ」。異国の習慣なのだろうと、旭は何の疑問も抱かずにギョームのキスを受ける。そして、桜太の肩を抱き寄せると、桜太が「え?」。いつのまにか無意識に、真崎の姿を目で追ってしまっていたらしい。日中は少年天使たちに稽古をつけ、そのあとは女神のもとへと赴く予定になっている。
「いっただきまーす」。史朗から、こんなふうに俺を抱きしめてくれることなんて滅多にない。馴れない恭一はつい照れて拒むような言動をしてしまうのだが、森安は強く押しやられても気にする様子はない。「なぁ、あんたの名前教えて」。胸に澱んで溜まっていくものを抱えながら、肉体に与えられる刺激に意識をシフトしていく。「催眠効果ばっちりのスプレーを顔に吹きつけられて、気を失ったから覚えてねーよ」。「……んっ、ああ……っ」。
あきらかに自分のベッドとは違う感覚、そして、手に触れているザラリとした生地のような感触に、オヤッと思って目を開けた瞬間、いきなりガシッと腕を掴まれた。浩太には振り回されっぱなしだ。
なんっか、王さんの声って、腰にくるんだよねぇ……。
胸元を触られて、星野の口から声がもれた。目鼻立ちの整った顔に厳しい表情を浮かべ、一分の隙(すき)もない態度で振る舞う姿には、近寄りがたい雰囲気がある。「おれは…もう二度と、刀なんて造らない方がいいんでしょうか」。「ボス、コーヒーをお持ちしましょうか?」。
ボーイズラブコミック作品紹介
事故で両親を失い多額の賠償金を支払わなければならない望の前に、ひとりの男が現れた。彼は日比野家の弁護士・支倉と名乗り、望を引き取りたいと申し出たが、『日比野』とは母が逃げ出してきた実家のことだった。切実な金銭的事情により断ることもできず、日比野家に足を運んだ望は、そこで遥遼という美しい青年と出会う。とある事情から蔵の中に閉じこめられたままでいる遥遼に、望は次第に惹かれはじめて――。
タイトル:楽園までの距離
著 者 名:高月まつり
レーベル:アクア文庫
発 行 元:オークラ出版
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