ABC Jr. 大坂俊介 BLコミック
黙って首を振ったあと、飯島は向かい側に座(すわ)ったトオルに問い返した。咄嗟(とっさ)に顔を背けて、一旦は逃れたが、所詮(しょせん)は無駄な抵抗である。メカ音痴(おんち)を自認するトオルには、ピタリと動くことをやめたパソコンが、まるで自分の意志でそうしているとしか思えなかった。弾力を確かめながら、俺は桂の唇に、舌を滑りこませた。「二狼こそ……如月夏子となにがあった?」。「はぁ……」。言いながら起きあがった京弥は、わざと恥じらったように俯くと、上目遣いで悠仁の反応を窺った。
「真、玄…っ」。恭一の意識が戻ったとき、最初に見たのは今にも泣き出しそうに表情をゆがめた森安の顔だった。逡巡している間に腕を引かれて寝室に連れて行かれる。「さっきからそう言ってるだろーが!」。ガツンと頭を押さえつけられてしまった。「いえっ、だい、大丈夫ですからっ」。
「啓ちゃん?んっ…!」。
椅子(いす)の上で居ずまいを正しまっすぐパソコンの画面をにらみつけたトオルは、学生のときから愛用しているトレーナーの袖(そで)を無造作にまくりあげ、両手を色褪(あ)せたジーンズの腿(もも)に擦(こす)りつけると、改めてマウスに手をのせた。「うん!」。真樹雄は手を伸ばしてきて、そっと僕の手を握ってくれた。「なぁ皓市。その……俺、男とするの、初めてなんだ。だから……」。
のしっと自分の指定席であるソファに収まったドンちゃんを、真野は面白そうに見下ろした。「大門さん…京介…」。
性急に舌が潜り込み、口の中を隈無く舐められ、舌を吸われる。梅雨(つゆ)の晴れ間に顔をのぞかせた太陽の光が、鮮(あざ)やかな緑色の葉に残った雨のしずくをキラキラと輝かせている。真昼は反射的に、モトキの腕を一瞬で払いのけてしまった。先月、誕生日を迎えたばかりのトオルは二十三歳になるが、色白の小作りな顔と、長い睫(まつげ)に縁(ふち)どられた大きな黒い瞳(ひとみ)や、ライトブルーのパジャマに包まれた華奢(きやしや)な身体(からだ)は、実際の年齢よりもはるかに若く見える。開きかけた扉が、硬い金属音と共にもう一度閉じる。アメリカンスタイルの広々としたキッチンの出窓から射(さ)し込む柔らかな朝の陽光が、磨(みが)き上げられたステンレスのシンクをきらきらと輝かせている。気持ちいい……。
ボーイズラブコミック作品紹介
相馬二狼、通称J。どんなヤバイ仕事も金次第で引き受ける始末屋だ。かつての依頼人・洋海も、いまは公私ともにJの最高のパートナーである。昼も夜も濃厚なセックスライフを楽しむ中、久しぶりに仕事が入った。依頼主は、洋海以外の男は範疇外の二狼でさえその気になるほどの美少年だ。洋海に内緒で捜査に乗りだしたJは、美少年との恋人ごっこを楽しむが……?!
タイトル:囚われた野性
著 者 名:綺月陣
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:オークラ出版
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大坂俊介の最新関連情報
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